便失禁とは
便失禁とは、排便を制御することができず、思わずに便が漏れてしまう状態を指します。この症状は、年齢や身体的な変化、神経系の障害、筋肉の機能低下など、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。
便失禁の原因
便失禁の原因は多岐にわたります。
- 高齢化による筋力や感覚の低下
- 脳や脊髄の損傷
- 神経障害(例:パーキンソン病、多発性硬化症)
- 便秘や下痢
- 肛門周囲の筋肉の機能障害
- 前立腺手術や子宮摘出手術などの外科手術後
便失禁の検査・診断
便失禁の検査・診断には、病歴の詳細を問診で伺い、身体検査、肛門周囲の視診や触診、大腸内視鏡検査、肛門の圧力測定などが行われます。問診の際、排便パターンや便の性状を記録するための便記録も有用です。これらの情報をもとに、医師が便失禁の原因を特定して、適切な治療法を選択します。
便失禁の治療
便失禁の治療方法は、症状の原因や程度によって異なりますが、以下の対策や治療法が効果的な場合があります。
食生活の改善
食事に十分な食物繊維を含めることで、便のかたさや便通を改善することができます。野菜、果物、穀物、豆類などをバランスよく摂るようにしましょう。
便秘や下痢の治療
便秘や下痢が便失禁の原因である場合は、その原因を取り除くための適切な治療を行います。医師の指示に従って適切な薬物療法や生活習慣の改善を行いましょう。
骨盤底筋の強化運動
骨盤底筋を鍛えることで、排便をコントロールする力を強化することができます。医師や理学療法士の指導のもと、正しい方法で骨盤底筋エクササイズを行いましょう。
薬物療法
便失禁の症状を改善するための薬物があります。例えば、下剤や抗下痢薬、抗コリン薬などが使用される場合があります。ただし、薬物療法は個々の症状や患者の状態によって異なるため、医師の指示に従って適切な薬物を使用しましょう。
よくある質問
便失禁は何科にいけばいいですか?
便漏れ・便失禁は、肛門科または消化器内科を受診しましょう。当院は、肛門科・消化器内科を含む複数標榜科で、肛門科の受診と周囲に知られる心配がありません。大腸カメラ検査にも対応しています。
便失禁の予防・対策はありますか?
便失禁に対する対策としては、トイレに頻繁に行くことで、便意を我慢することなく排便できます。便意が感じられたら、できるだけ早くトイレに行くようにしましょう。漏れを防ぐために、吸収性の高い下着やパッドを使用することができます。
便失禁に悩んでいる場合は、まずは医師に相談し、適切な治療や対策を受けることが大切です。